ブログ・コラム

2014.02.19

経営指針の成文化は、いいのか悪いのか?

長岡@ホームページ&クラウド応援隊長です。

きょうは、静岡県中小企業家同友会沼津支部の例会でした。

今月の発表は、経営指針の成文化をした人たちの発表でした。

この発表を、私はいろいろなことを考えながら聞いていました。

 

そのひとつは、

経営指針の成文化かいいことなのか?

これを、自問自答していました。

 

もちろん、経営指針や経営理念を成文化することは悪いことではありません。

むしろ、非常にいいことだと思います。

だからこそ、そこに落とし穴があり、多くの経営者が、この落とし穴に落ちるのです。

 

経営指針や経営理念を成文化した後は、3つのタイプに分かれます。

1.成文化して満足して、終わってしまう人。

2.成文化した経営指針・経営理念に基づいて、自分の行動を変えていく人

3.他人(社員)に、成文化した経営指針・経営理念に基づいた行動をさせようとする人

この3タイプです。

この中で、落とし穴があるのは、3番です。

 

経営指針や経営理念を成文化した経営者は、これに非常に強い思い入れがありますし、いいことであることを疑いません。

ですから、社員はちゃんと伝えればこれを受け入れてくれるだろうし、それに基づいて社員も行動してくれるだろうし、そうあるべきだと考えます。

しかし、成文化した本人以外にとっては、それは単なる他人の思いです。ましてや、突然降って沸いてきた経営指針や経営理念です。その成文化にはまったく関わっていない、他人のことばです。それを人は、そうたやすく受け入れてくれる人ばかりではありません。

 

皆さんにも経験はないでしょうか?

先輩社員や親などに、「これはいいことだからやろう!(やれ)」といわれて、反発したこと。

 

経営理念というのは、空気やにおいのようなものです。

ことばで伝えるものではありません。

もともとは感じ取り伝わるものだと思っています。

ことばはあくまで、伝わる内容を補うもの。

そして、経営指針や理念が浸透しているかどうかは、社員が理念を暗唱できるかどうかではありません。理念に基づいた行動をしているかどうかです。経営理念をいえるが理念に基づいた行動をしていない会社よりは、理念は暗唱できないが、理念に基づいた行動をしている会社のほうが、はるかにすばらしい。

経営者が発することば、普段の行動、しゃべることばだけはなく、そのトーン(優しい言い方かきついかなど)、社員やお客様や業者さんへの態度の裏表、目の運び、立ち振る舞い、そのようなものすべてから肌で感じる経営理念・経営指針と、ことばで伝わってくる経営理念・経営指針が一致していること。そして、自分もそうありたいと共感していること。これが合わさったとき、初めて、成文化の効果がでます。

 

しかし、落とし穴にはまる経営者は、なまじ成文化したがために、ことばでこれを伝えようとする。ここに落とし穴があります。

えらそーに書いていますが、その落とし穴を自分で掘って、落ちたのが、私なのです。

この落とし穴は、理念に対する思いが強ければ強いほど、抜け出すのが大変です。(いや~~、ほんと、たいへんだったよ~)

 

繰り返しますが、経営指針・経営理念を成文化することは、とてもすばらしいことです。

だからこそ、その後に待ち構えている落とし穴に落ちないよう、祈るばかりです。

 


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