ブログ・コラム

2021.06.25

「SDGsの実践でサステナビリティ経営を目指す!」「SDGs実践入門」著者 泉貴嗣氏による特別講演 (後編)

(前編より続き)

 

・顧客と社会の変化

顧客と社会も変化している。

企業は社会から、説明責任が求められてる。

「貴社のCSRはどうなってますか?」

優良なサプライチェーンに加わるには、

SDGsが必須となってくる。

 

また、優良な企業は、従業員から選ばれる存在となる。

経営者は、若者の企業観・労働観の変化を直視すること。

顧客と従業員、両方から選ばれるチカラを持つ、

これがSDGsを通して実現できる。

イギリスでは現代奴隷法が成立した。

大企業は、これに対応し始めている。

 

また、ファーストリテーリング(ユニクロ)の

新疆ウイグル自治区での人権問題への発言により

株価が急落したり、

材料の原産地証明に関わるコンフリクトミネラル問題(紛争多発地帯の鉱物)など、

企業の姿勢が社会からNGを突き付けられる。

・SDGsの実践ステップ

SDGsのメリットは

・社内のESG問題の抑制=労働環境の改善→生産制、勤労意欲の向上

・社外のESG問題の解決=社会問題や環境問題の収益化

ディメリットは

・新たな投資・コストの発生

・効果が表れるまで時間がかかる

効果が出るまで待てない企業は

SDGsに取り組みにくい。

 

本業で最初に行うべきSDGsの取り組みは、

BtoBはCSR調達。

ESG問題を抑制・解決に効果的なサービスや

事務用品を調達する。

そのような仕入れ先を優先する。

扱ってない仕入先に、対応を要望・提案するなど。

これにより、CSR調達を強化する顧客への採用が進む。

また、BtoCはエシカル消費への対応。

さまざまなエシカル商品(フェアトレード、FSC認証など)

それらを扱うことから始める。

 

自社のパーパス(存在意義)を再確認し明確にする。

その事で、付き合う人が広がり、

新たな発想が生まれる。

 

アウトサイドインで

社外のESG問題(アウトサイド)を自社の経営課題化(イン)する。

その際には、マルチベネフィット、

つまり、SDGsの複数のゴールに寄与する活動とする。

そして、ステークホルダー同士、

お互いにプラスとなる、利害の交点を模索する。

ステークホルダーは、社員、取引先、地域社会の3つで

Win-Win-Winの三方よしを目指す。

 

プロアクティブ(能動的、先取り)思考で

バックキャスティング(どうなりたいかを起点に)の

組み合わせが重要。

早くに取り組むと、学習コストが低く済むため、経営にもプラス。

 

取り組む経営課題は経営指針に取り入れ、

サスティナビリティレポートやWebなどで

「見せる化」する。

 

・SDGs実践で注意すべきポイント

SDGsは社内のESG問題の抑制がカギ。

そして、SDGsウォッシュを抑制する。

単にバッジをつけているだけでは無意味。

 

何をどうするかは、トップ自らがしっかりとしたフレームワークを作る。

そのためには、社員に、自社のいいところ悪いところ、

そして、環境や社会に自社が貢献できるところを聞いてみるといい。

社員がSDGsを自分事とするためには、

その決定プロセスに関わってもらうことも必要だし、

経営者が一番知っているという傲慢を抑制することにもなる。

 

・まとめ

SDGsの傍観者にならずに身近なところから実践する。

そのために、経営者自らが汗をかくこと。

慈悲の経営ができるかが問われている。

 

良い活動をしても、

経営者が代替わりしたら終わりではいけない。

そのために、事業承継は早期かつ戦略的に取り組む。

後継者には、同じくSDGsの取組み課題をしてもらうことで、

現経営者の考え方をつないでいく。

 

会社は地域のおかげで仕事ができていることを自覚する。

なんとなく地域の掃除をしているだけではダメ。

地域と自社の価値の共有をすることで、

地域から支持され、採用も容易となる。

 

SDGsの実践には確実に先行者利益があるので、

期限なしで社会的目標を追求しよう。

 

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